Advantages
- 水溶性の高い高濃度ナトリウム/カリウムイオンを添加するだけで、本剤で短時間・選択的に沈殿分離
- 海水同等水溶液で80%以上の塩化ナトリウム除去率を達成
- 複雑なカラム通液は不要。除去剤の添加と濾過のみで完了する高効率/低コスト前処理プロセス
Current Stage and Key Data
・塩濃度 30g/L の水溶液から塩化ナトリウムイオンの除去を行った際のNa+に対するイオンクロマトグラフのチャート
水溶液中のナトリウムイオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測定し、処理前の溶液のイオンクロマトグラフィーの結果と比較したところ、およそ80%の除去率でNa+ が除去されていることが示された。
Partnering Model
【分析装置メーカー様】
- ICP-MS等の「高塩分サンプル専用オートサンプラー試薬キット」としての純正オプション化。
- フィールドワーク(オンサイト分析)用の簡易脱塩カートリッジとしての共同開発。
【超純水・水処理メーカー様】
- 高濃度塩分サンプルを自社装置に注入する手前で用いる「粗脱塩ボトル」または「粉末試薬」としてのOEM販売。
- 排水分析ラインにおけるインライン前処理ユニットへの組み込み。
本技術導入、または実用化/開発コラボレーションに関心のあるパートナー候補企業を募集しています。企業様からのご提案も歓迎致します。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。
Background and Technology
海水等の微量金属分析(ICP分析等)において、高濃度の塩化ナトリウムは測定精度を著しく低下させる最大の要因であり、簡便なマスク剤が切望されている。しかしながら、通常、ナトリウムイオンを持つ有機小分子は水への溶解性が高く、容易に捕捉・沈殿させることが困難で、アルカリ金属イオンの塩を水溶液中から沈殿させることが可能な除去剤は未だ未開発である。
研究室は、ナトリウムイオンを高次骨格に組み込むオリジナルの有機小分子(複数の誘導体で活性確認済)を開発し、水溶液からのナトリウムイオンの沈殿・除去に世界で初めて成功した。実証試験では、海水と同等濃度の塩化ナトリウム水溶液で、約70%のナトリウムイオンを沈殿除去できることをイオンクロマトグラフィーおよび電気伝導度測定で実証済みである。この捕捉・沈殿の高次骨格構造形成メカニズムは、単結晶X線解析によって構造的にも裏付けられている。また、本分⼦を⽤いて合成した銀錯体を⽤いると、ナトリウムイオンの除去に加え、塩化物イオンが AgCl として沈殿(粉末 X 線回析で確認)する。つまり、海⽔中の NaCl が沈殿物として 80%以上の除去率が達成可能であることが示され、迅速でコンスタントな前処理・脱塩テクノロジーとなることが期待できる。
本配位子/銀錯体は簡便プロセスのため低コスト合成が可能であり、今後は活用場面別に、スケールアップや処理量に合わせた処理剤の提供形態に合わせた開発が必要となる。
Principal Investigator
国立大学法人静岡大学 グリーン科学技術研究所 教授 近藤 満