Advantages
- チューナブルな分離:
乱流強度や流速条件を変えるだけで、乱流境界を透過できる粒子サイズ(カット径)をリアルタイムに調整可能。一つの装置で、対象流体や粒子サイズの異なる多品種の分離ニーズに対応できるポテンシャルが期待
- 膜レス・目詰まりレス:
物理的な膜・多孔質媒体を使用しないため、膜の洗浄・交換に伴うダウンタイムや薬品コスト、「目詰まり」に伴う圧力損失に起因するエネルギーコストの軽減が期待
- 高精度な粒径選択性:
試験機レベルでは、数μmオーダーの粒径閾値による分離を達成しており、サブミクロン〜数十ミクロンの粒子を対象とした高精度な粒径選択性が確認されている。電子材料スラリー、微粒子評価、バイオ関連サンプルなど、精密なサイズ制御が求められる用途への展開が想定される
Background and Technology
流体中に混入している特定サイズの粒子を分離・除去・濾過する従来のフィルタは、膜の穴(ポアサイズ)で物理的に粒子を遮断する仕組みであるため、目詰まりや圧力損失の増大が避けられないという課題を抱えてきた。
本研究者らは、核融合プラズマ中の粒子輸送制御の研究を通じて、選択的粒子輸送の実現を目指してきた。その過程で、流体の「層流」と「乱流」の境界に生じる揺らぎの界面が、サイズ選択的に粒子を押し返す非常に高性能なフィルタとして機能しうることを新たに見出した。
本技術は、流速および乱流の揺らぎ強度を分離対象に応じて設計することで、原理上は対象種に制約が少なく、水や油、イオン液体などの各種粘性流体全般に適用可能。また、揺らぎを駆動する機構も、プロペラによる撹拌、熱対流、電場・電圧印加など、多様な方式から選択できるため、用途に応じた装置設計の自由度が高いフィルタレス技術として期待される。
Data
液液晶電気対流を用いた試験系において、サブミクロン〜数十ミクロンのプラスチック粒子の分離を実施。粒子径による選択性が生じること、また粒子径閾値が乱流強度と流速条件により制御可能であることを確認した。(図)
Patents
特許7637366号
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7637366/15/ja
Principal Investigator
永岡 賢一 教授 (核融合科学研究所)
Partnering and Next step
本技術の活用や、本研究者とのコラボレーションにご興味のある企業様を探索しております。分級装置、水処理、分析機器、血液・バイオサンプル分離以外での活用のご相談も歓迎いたします。ご興味がございましたら、次のステップとして本件研究者との技術面談を調整させていただきます。