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認知症発症リスクの超早期判定方法・装置

視点の反応時間(SRT)を計測し、認知症やMCIの診断前である未病段階から認知症発症リスクを推定するシステム

Advantages

・ 認知症スクリーニングテスト(MMSE)正常群の中に潜む高リスク/プレクリニカル認知症群(未病*)を検出可能
・ 超早期の検出による予防介入や進行抑制が期待される
・ 非侵襲で比較的短時間かつ安価に計測可能であり、健診やクリニック等で低コストに導入可能
・ スマホ搭載アプリとして提供できる可能性

Background and Technology

認知症の最大45%は、生活習慣や環境要因などの修正可能なリスクに関連していると報告されており、一度発症すると完治が難しいため、その進行をいかに抑制するかが鍵となる。「プレクリニカル」とよばれる超早期段階でリスクを発見し、予防的介入を行うことが理想だが、従来の認知機能検査(MMSE)ではこの段階での発見は困難であり、また精度の高いPETや脳脊髄液検査は、高コストで身体的負担が大きい。
そこで、本発明者は脳機能の微細な変化が反映されやすい眼球運動に着目し、非侵襲で簡便なリスク評価手法を確立した。具体的には、急速眼球運動計測装置(Eyelink)を用いて認知症や軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)と診断される前の「未病*」の段階で被検者の認知症発症リスクを推定する方法・装置を開発した(下図)。装置は市販のハードウエア、スマホをベースに開発可能である。画面上の目印の移動に対する視点の反応時間(SRT:Saccade Response Time)を計測して健常者と比較することにより判定する。
*未病:MMSEスコア正常群(28~30)のうち、(1)MMSEの認知機能に重要な設問を誤答(計算、遅延再生、立体 etc.)、(2)聴覚検査の語音機能低下、(3)うつ、の(1)~(3)のいずれかに該当する段階のこと。数年後に顕著に認知症の症状が現れるリスクが高いことが知られている。

Current Stage and Key Data

Current Stage:
・ 国内公的研究機関における高齢者を対象とした大規模ヒト研究において、本手法の有用性検証を進めている。
・ 成果に基づき特許出願(未公開)が完了。
・ 学術論文の発表準備中。
Next Steps:
・ 5年間のフォローアップにより実証予定。
Key Data:
地域在住の高齢者737名を対象に、認知機能検査(MMSE)と眼球運動(サッケード反応時間:SRT)を計測した。その結果、MMSEスコアが正常(スコア28~30点/30点満点)な層の中でも、「未病」群は、健常なコントロール群と比較してSRTが統計的に有意に長かった 。

Partnering Model

本技術にご興味があり、本手法を用いた装置やソフトウエアの開発を一緒に進めていただける企業様を探しています。共同研究も可能です。
・ アイ・トラッキングを使用した診断技術保有企業
・ ソフトウエア医療機器開発企業(特にスマホを用いた機器)
・ 主に精神疾患領域に注力する診断機器・治療機器メーカー
・ 視力検査機器開発販売企業
・ 認知症治療薬の開発をしている製薬企業
・ 脳トレアプリ開発企業

Principal Investigator

古川 貴久 教授 (大阪大学大学院 医学系研究科、蛋白質研究所)

Patents and Publications

・ 特許出願中(未公開)
・ 第103回日本生理学会大会でポスター発表
・ 論文準備中

プロジェクト番号:kj-05347