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HFpEF治療薬:タミバロテン(AM80)

Meflinの発現を誘導し、線維芽細胞の運命を制御して線維化を抑制することで心臓の拡張機能を改善する新規メカニズム

Advantages

・HFpEFの根本治療: 心臓線維化を直接標的とし、既存薬では限定的な心臓の拡張機能改善を根本から目指す。
・迅速な事業化が可能: 既に安全性が確認されている既存薬、タミバロテン(AM80)のドラッグリポジショニングにより、臨床開発のリスクとコストを大幅に低減できる。
・広範な患者への貢献: 心不全患者の約半数を占めるHFpEFに対し、治療法が確立されていない大きなアンメットメディカルニーズに応える。

Current Stage and Key Data

・前臨床段階(in vivo POC)は完了しており、タミバロテン(AM80)の開発企業(東光薬品工業株式会社)と協力体制を構築し、臨床試験に向けた準備を進めている。日本の規制当局(PMDA)との相談も進めている。
・臨床試験の推進を加速させるため、このプロジェクトへの金銭的支援を頂けるパートナー企業を求めている。
・HFpEFモデルマウスにおける心臓の拡張機能改善効果:HFpEFモデルマウスにタミバロテン(AM80)を経口投与したところ、心臓の拡張機能の指標であるE/e‘値が有意に改善した

Partnering Model

共同開発・ライセンス契約:ライセンス契約下での独占的な開発・販売権を付与し、タミバロテン(AM80)を用いた臨床試験を推進したい。

Background and Technology

Background: 心不全患者の半数を占める「左室駆出率の保持された心不全(HFpEF)」は予後が悪く、詳細な病態把握に基づいた薬物療法はいまだ確立されていない。心筋線維芽細胞の増殖と間質性線維化が、HFpEF発症の原因の一つと考えられている。
Technology: 発明者らは組織修復に関与する「善玉」線維芽細胞に特異的に発現するマーカーとして「メフリン(Meflin)」を発見した。メフリンはBMP7の作用を高めて線維化を抑制し、さらにコラーゲン架橋酵素であるLOXを阻害することで組織の硬化を防ぐ。メフリンが欠損すると、正常な線維芽細胞が線維化を促進する「悪玉」の筋線維芽細胞へと分化し、HFpEFに酷似した心不全を引き起こす。メフリンの発現を誘導する薬剤のスクリーニングを行った結果、既存薬であるタミバロテン(AM80)が見つかり、HFpEFのマウスモデルにおいて心機能を大幅に改善することが確認された。これにより、線維化の根本原因に働きかける全く新しい治療コンセプトとなることが期待される。

Principal Investigator

加藤勝洋先生、榎本篤先生(名古屋大学)

Patents and Publications

Patent: PCT/JP2023/016268
Publication: Hara, et al. Circ Res, 2019

プロジェクト番号:402