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高溶解性テトラヒドロクルクミン誘導体

独自の誘導体化技術で難溶性だったテトラヒドロクルクミンの水溶性と体内・細胞内送達性が高まり、汎用性が拡がる

Advantages

■ 圧倒的な水溶性:
 少量の水に瞬時に溶けるため、可溶化剤を大幅に削減し透明な製品設計が可能。
■ 体内吸収・細胞送達の最大化:
 未修飾体に比べ約3倍の経口吸収性を実証。細胞内への成分送達性も飛躍的に向上。
■ 多分野への高い適応性:
 無色で物性が安定しているため、医薬品、食品・飲料、サプリメント、スキンケア等に適用できる。

Background and Technology

クルクミンおよびその還元代謝物であるテトラヒドロクルクミン(THC)は、抗酸化、抗炎症、抗がんなどの多様な生理活性を有し、世界中で研究されている。しかし、これらは水に対して極めて難溶性であり、生体への吸収性が著しく低いことが医薬品開発の大きな障壁であった。従来、溶解性を高めるためには大量の可溶化剤の添加や、脂質ナノ粒子への封入が必要であったが、これらは剤形の肥大化や安全性の懸念を引き起こしていた。
そこで、本研究者らは、THCの構造を特定のアミノ酸等で修飾し、プロドラッグ型となるテトラヒドロクルクミン誘導体(THC-DMG)を開発した。このTHC-DMGは水に極めて溶けやすく、吸収後に生体内で速やかに元のTHCへと再変換される。これにより、添加剤に頼ることなく、THC本来の優れた活性を最大限に引き出すことが可能となった。

Current Stage and Key Data

■ Key Data:
- 誘導体化により水溶性が1万倍以上向上し、未修飾体(THC)では1gの粉末が水100mLに溶けないのに対し、テトラヒドロクルクミン誘導体(THC-DMG)は1gの粉末を水1mL未満で完全に溶解できることを確認した。
- ラットにTHCとTHC-DMGを経口投与したところ、経口投与後のTHC-DMGは、未修飾体に比べ約3倍の血中総吸収量(AUC)を示した。これにより、効率よく体内に吸収され、THC(活性体)に変換されていることを確認した。
- ヒト白血病細胞株(HL60)において、THC-DMGはTHCよりも優れた増殖抑制効果を示すことを確認した。
- ヒト表皮角化細胞株(HaCaT)に対し、THC、先行誘導体テトラヒドロクルクミン・ヘミグルタレート(THC-Glut)、THC-DMGをそれぞれ添加して比較したところ、THC-DMGはTHCやTHC-Glutよりも高い細胞内送達性を示した。

■ Current Stage
 物質合成および基礎物性(溶解性・加水分解性)のデータ取得済み。ラット経口吸収性および細胞系での薬理効果を確認済み。

■ Next Steps
 先行化合物(テトラヒドロクルクミン・ヘミグルタレート)との比較試験、長期保管安定性を確保する製剤処方の最適化、および疾患モデル動物を用いた詳細な薬理実験を計画中。

Partnering Model

福岡大学では、以下の分野の企業様とのコラボレーションを希望しています。福岡大学との秘密保持契約等の締結により、未公開データの開示も可能です。発明者との面談も可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

■ 医薬品・動物薬取り扱いの企業様
- 水性注射剤や高吸収型経口薬の開発、特に脳神経・血管疾患・がん領域への本誘導体の適用に関する共同研究をご提案します。難溶性により頓挫したプロジェクトの再構築、副作用リスク(可溶化剤)の低減が可能です。

■ 食品・サプリメント・食品添加物をお取り扱いの企業様へ
- 美容ドリンク、小型高含有サプリメントの開発へ本テトラヒドロクルクミン誘導体を使ってみませんか。抗酸化作用を持ち、無色透明で既存成分の吸収率3倍を謳う差別化が可能です。天然由来の酸化防止剤としての食品添加物開発も期待されます。

■ 化粧品、化粧品原料をお取り扱いの企業様へ
- 高浸透・美白・抗皮膚老化スキンケア製品へ使ってみませんか。着色を気にせず、かつ細胞内へ効率的に届く高浸透処方が実現できます。

Researcers

松永 和久 教授 (福岡大学 薬学部)
瀬戸口 修一 講師 (福岡大学 薬学部)

Patents and Publications

Patent:
- 特願2024-198973(未公開)

Publications:
- JST新技術説明会(福岡大学、2025年5月27日)
 > https://shingi.jst.go.jp/list/list_2025/2025_fukuoka-u.html

プロジェクト番号:jt-05531