Advantages
- ウイルス本来の立体構造を認識できる質の高い抗体を誘導する
- マダイ以外にブリ、マグロ、カンパチ等への応用可能性も期待できる
Current Stage and Key Data
- Current Stage
マダイを用いたラボスケールの攻撃試験にて、市販品と同等の防御効果を確認。
- Future Plan
経口投与法など注射以外の投与経路での利用を検討中。
- Key Data
マダイへ本ワクチンを腹腔内に投与し、20日後にマダイイリドウィルス強毒株を接種した攻撃試験において、コントロール群(Buffer)の死亡率が40%だったのに対し、本ワクチン(HHP-rMCP)群は16.7%の死亡率にとどまり、市販のホルマリン不活化ワクチン(C-vaccine:14.3%)群と同等の抵抗性を付与できることを確認した(下図1A,B)。
Background and Technology
養殖水産業における感染症による経済的損失は、日本国内だけで年間約100億円(令和4年)に達する深刻な経営リスクである。特にマダイのみならず、ブリ、マグロ、カンパチ、スズキ、シマアジなど多魚種に感染するマダイイリドウイルス(RSIV)への対策が求められるが、化学処理によるタンパク質構造の変性により抗原性が低下する、といった課題も抱えている。
そこで、愛媛大学の研究グループは、RSIVの主要外殻成分であるメジャーカプシドタンパク質(MCP)に着目し、組換えワクチンを開発した(図2)。天然の構造を保持したMCPは強力な免疫を誘導するが、大腸菌で製造すると不溶性の塊(封入体)となり、活性を失うことが問題であった。本技術は、この封入体に対し約200 MPaの加圧と減圧を行う「高圧巻き戻し法」を適用することで、免疫原性の鍵となる立体構造を精密に保持したままの可溶化に成功した。本ワクチンは作業効率の高い経口投与法での利用を目指した開発も進行中であり、次世代ワクチンとして期待される。
Partnering Model
愛媛大学では、本ワクチンの実用化にご関心のある動物・水産系ワクチンメーカーを募集しています。ご興味ございましたら、研究者との面談をアレンジいたします。ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
Principal Investigator
野澤 彰 准教授 (愛媛大学 プロテオサイエンスセンター)
澤崎 佑太 特定研究員(愛媛大学 プロテオサイエンスセンター)
Patents and Publications
Patent: 特許出願中(未公開)
Publication: Sawasaki Y., et al., Int. J. Mol. Sci.(2026), 27(2), 675;
[DOI] https://doi.org/10.3390/ijms27020675