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イネ白葉枯病防除用農薬の開発

植物の糖輸送体SWEETの働きを阻害し、病原菌による栄養奪取を阻止する新機構の農薬候補化合物およびその利用技術

Advantages

- 汎用性の高さ: ゲノム編集イネ開発などの特定遺伝子領域改変アプローチとは異なり、変異株や多様な病原菌株に対しても広く有効性を発揮する可能性
- 新作用メカニズム: 病原菌の標的となるホスト(イネ)側の糖輸送体SWEETを直接阻害し、病原菌への栄養供給を遮断する新規防除メカニズム
- 水溶性と合成容易性: 水溶性低分子化合物であり、グラムスケールの合成・誘導体展開が容易
- 作物への影響: 薬害や幼苗の生育阻害を起こさず、病原菌の感染・増殖のみを効果的に抑制

Current Stage and Key Data

Lab/In vivo実証段階(イネ葉部での感染抑制効果を確認済)
‐ スクリーニング:33,200化合物からのハイスループットスクリーニングおよび誘導体展開により、nM〜µMオーダーで優れた糖輸送阻害活性を示すリード化合物を選定
- In vivo防除効果:白葉枯病菌(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)とリード化合物の共処理により、イネ葉における水浸状病斑の発症および病原菌増殖の顕著な抑制を実証
- 作物への影響評価:有効濃度(10 µM)では感染拡大を抑制した一方、75 µMで葉枯れが観察され、適用濃度の最適化と薬剤評価は今後の課題

Partnering Model

特許ライセンス契約、共同研究開発
- パートナー企業候補例:植物保護・農薬開発企業、穀物生産・農業バイオテック関連企業

Background

イネ白葉枯病は、病原細菌 Xanthomonas oryzae pv. oryzaeによって引き起こされる、世界的なコメ生産における最重要病害の一つです。本病原菌はイネ細胞内に転写活性化因子様エフェクター(TALエフェクター)を送り込み、スクロース輸送体であるSWEET(OsSWEET14等)の遺伝子発現を強制的に高め、細胞外へ排出された糖を自らの栄養源として増殖します。
従来の防除対策(既存農薬や排水管理等)では十分な防除が困難であり、ゲノム編集による抵抗性品種の開発も進められていますが、イネ品種や病原菌株ごとの遺伝的多様性により普遍的な解決策とはなっていません。本技術は、化学的アプローチによりSWEETの糖輸送活性を直接阻害することで、病原菌への栄養供給を遮断し、広範かつ持続可能な防除手段の提供を目的としています。

Principal Investigator

中村 匡良 教授(発明時は名古屋大学に在籍、現在は埼玉大学に在籍)

Patents and Publications

特許出願済み(未公開)

プロジェクト番号:bk-05078