Advantages
(1) 既存検査に対する優位性:疾患活動性が残存するにもかかわらず、従来の抗DNA抗体や補体価が正常値を示す評価困難な症例(患者の10-50%)においても、SLEの疾患活動性を正確に評価できる。
(2) 治療モニタリングへの応用:miR-1285-3pは治療前(活動期)に上昇し、治療介入による炎症の沈静化に伴って低下するため、治療効果の判定指標として活用可能。
(3) 病態メカニズムの反映:SLEの病態進行に深く関与する病原性B細胞(加齢関連B細胞:ABCs)の増加と相関し、病原性細胞を誘導する根本原因を直接的に反映するマーカーである。
Current Stage and Key Data
ヒト臨床検体(血漿由来Small EVs)を用いたデータ取得により、バイオマーカーとしての概念実証(PoC)を完了。
・SLE患者での発現上昇:SLE患者(n=31)の血中miR-1285-3p発現量は、健常者(n=10)と比較して有意に高かった(***)。
・疾患活動性との相関:血中miR-1285-3pの発現量は、疾患活動性の総合指標であるSLEDAI-2Kスコアと正の相関(r=0.3929, p=0.0288)を示した。
・治療応答性の確認:未治療のSLE患者(n=11)において、治療介入後(Post-Tx)には治療前(Pre-Tx)と比較して発現量が有意に低下した(**)。
・既存マーカーが正常値の患者の解析:補体価が正常範囲内を示すSLE患者群(n=12)に限定した解析においても、miR-1285-3pの発現量はSLEDAI-2Kスコアと正の相関(r=0.4623, p=0.1323)を示した。
Partnering Model
開発パートナー企業の募集:本技術を基盤とした全身エリテマトーデス(SLE)の疾患活動性を評価するマーカーの実用化に向け、診断薬メーカー、検査企業等の協業パートナーを求めています。
Background and Technology
臨床的課題:既存のSLE診断マーカー(抗DNA抗体や補体価など)は実際の疾患活動性との乖離が存在し、状態評価や治療方針の決定が困難な症例(患者の10〜50%)が存在する。
病態的な背景:SLEの病態悪化には病原性B細胞(加齢関連B細胞:ABCs)の増加が関与し、これらが疾患活動性指標(SLEDAI)と相関することが知られている。
主要な発見とメカニズム:SLE患者の血漿由来Small EVsを解析し、特異的に上昇する「miR-1285-3p」を同定した。これはB細胞のミトコンドリア代謝(OXPHOS)を抑制し、転写因子IKZF2を低下させることでABCs分化を促進する原因分子であることが明らかになった。
マーカーとしての有用性:血中miR-1285-3p発現量は疾患活動性スコア(SLEDAI-2K)と正の相関を示し、治療介入後には発現量が低下していた。これによりSLE病態を反映した、既存検査の補完および薬効モニタリングを可能にする新規バイオマーカーの開発が実現することが期待される。
Principal Investigator
浅島 弘充 先生(筑波大学 医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学)
Patents and Publications
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