Advantages
■ 出芽酵母のコロニー過大評価(100%超え)を解消:
物理的な細胞分離を係数化し、従来の不正確な活力評価を是正。
■ 既存設備で導入可能な簡便なプロトコル:
血球計算盤等を用いた顕微鏡観察を追加するのみで良く、高価な新規機器は不要。
■ 産業用酵母の品質管理を高度化:
パン酵母や醸造用酵母の活力を極めて正確に把握でき、発酵歩留まり向上や品質安定に貢献。
Background & Technology
出芽酵母のストレス耐性や活力を評価する際、微生物の生存・増殖能力を示す「コロニー形成能力」の算出は不可欠である。従来、この能力はフローサイトメトリー等で測定した「液中の全細胞数」を母数とし、培地上の「コロニー数」を分子とする割合で算出されてきた。しかしながら、出芽酵母は素細胞(母細胞と娘細胞)が連なった状態で増殖するため、液中では「1細胞=素細胞の集合体」としてカウントされるにもかかわらず、培地にスプレッダーで塗布する際の物理的圧力で分離してしまう(ばらける)現象が起きる。その場合、分離した酵母がそれぞれ独立してコロニーを形成するため、計算上のコロニー形成能力が100%を大きく超過するという矛盾が生じていた。
本技術は、塗布前と塗布後の出芽酵母を、血球計算盤等を用いて顕微鏡観察して「平均素細胞数」を計測し、そこから「分離係数」を算出するものである。この分離係数を用いて従来の計算式を補正することにより、スプレッド時の物理的圧力による細胞分離の影響を排除し、出芽酵母の真のコロニー形成能力を極めて正確に評価することが可能となる。
Data
出芽酵母に塩分ストレスを与え、その生存率を従来の方法および本技術による方法で算出したところ、従来の手法では190〜240%というコロニー形成能力であったのに対し、本技術による補正で86〜110%であり、実際の生存率(約99%(細胞完全性))とほぼ一致することが確認された。
Expectations
福岡大学では、本技術にご興味のある企業様を募集しています。具体的には以下のような協業、パートナリングを希望いたします。福岡大学との秘密保持契約の締結による未公開データの開示や、研究者との直接の面談も可能です。お気軽にお問い合わせください。
● 酵母関連企業(製パン用イースト製造、ビール・ワイン等の酒類醸造業、バイオエタノール産業):
貴社実サンプルを用いた生産現場スケールでの実証実験、およびAI自動解析メーカーとの出芽酵母専用ソフトウェア開発などの共同研究。
● 検査機器・試薬メーカー:
本計算アルゴリズムを組み込んだ自動コロニーカウンター用の次世代ソフトウェアや、本評価手法を用いた「コロニー形成能力測定研究試薬キット」、既存の解析システム(自動コロニーカウンター等)へのアルゴリズム実装。
Principal Investigator
新戸 浩幸 (福岡大学 工学部 教授)
Patents & Publications
特許出願中(未公開)