Advantages
導電性ゼロ媒体での直接電極反応の実現:これまで電気化学反応を用いた化学合成や分析が適していなかった化合物に対しアプローチが可能
超臨界 CO2 電気化学反応に基づく新しいデバイス構築
カーボンリサイクルや食品分析などへの応用が可能
Background and Technology
超臨界 CO2 (scCO2) は、臨界点 31.1°C、7.4 MPa で達成され、その密度は気体時の数百倍に達するが、ヘキサンと同程度の極めて非極性な性質を持つため電気を通さず、直接的な電解還元は不可能とされてきた。
一方、両連続相マイクロエマルション (BME) とは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを調整することで、水と油の両方が連続した両連続相を形成する技術であり、通常イオン電導が起こらないため電気化学反応が困難な油などの非極性の液体に溶解・分散している分子に対しても、両連続相状態においては水相側がイオンパスとなり電気化学反応が可能となることが知られている。
本技術は、界面活性剤の親水性と親 CO2 性のバランスを緻密に調整することで、高圧セル内で水相と scCO2 相が三次元的に絡み合い、共に連続した BME を形成する技術であり、本研究者らは、scCO2 を BME 化することで電気化学反応を駆動させる、という概念実証に成功した。本技術により、既存の電解液を用いた電気化学デバイスでは困難であった反応系における利用や、scCO2 の直接還元による CO2 分解・有機化合物の調製プロセスなどの応用を通じ、将来的には脱炭素・カーボンリサイクル (CCU) プラントや食品の抗酸化分析など、多岐にわたる分野での利用が期待される。
Data
・ 水相、CO2 相(気相)、およびこれらのマイクロエマルション相からなる BME の系(※補助界面活性剤としてイソプロパノールを添加)において、水に不溶のフェロセンを系内に添加し、作用極に金線(Au)、対極にステンレス製リアクター、参照極に銀線(Ag)を用い、掃引速度 0.05 V/s にて電気化学測定を実施したところ、そのサイクリックボルタモグラム(CV)が得られ、導電性を有するミクロ水相がイオンパス(電導路)として機能することを確認した。
Expectations
熊本大学では、本技術を利用した新しい電気化学反応デバイスの実用化や、それを用いた各種化学反応・分析などの実現に向けて、本研究者らとの協働により開発にご興味をお持ちいただける企業様を探しています。特に、電気化学関連や超臨界流体関連の装置メーカー様、分析サービス関連の企業様、エネルギー関連の化学企業様・インフラ設備の企業様にはご興味をお持ちいただけますと幸いです。
熊本大学との秘密保持契約の締結による未公開データの開示や、研究者との面談も可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
Researchers
國武 雅司 名誉教授(熊本大学 大学院先端科学研究部 / 産業ナノマテリアル研究所)
百瀬 健 教授(熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構)
Patents and Publications
Patent:
- PCT出願済み(未公開)
Publication:
- 未公表