Advantages
- ヒト肺炎の特徴をより反映するモデルを用いて見出された重症化因子:本モデルは、ヒトCOVID‑19と同様に肺を主座とする急性肺傷害様病態を再現するマウス馴化型SARS‑CoV‑2感染モデルである。このモデルを用いたシングルセル解析と重症群で特異的に蓄積する線維芽細胞集団に注目した解析により重症化因子として見出した。
Current Stage and Key Data
- Current Stage: Discovery/Pre-clinical
マウス馴化型SARS‑CoV‑2(rMA10)の致死的肺炎モデルにおいて、CCL15-CCR1阻害剤であるBX471投与群で生存率の有意な改善が得られた。(図)
- Future Plan:
・ 他の呼吸器感染症における有効性の実証試験を準備中。
・ 見出したサイトカインの重症化に寄与するメカニズム解明を進める
Partnering Model
大阪大学では、本発明を用いた治療薬開発や、本研究室とのコラボレーションにご興味のある製薬企業様を探しています。研究者との直接の面談も可能ですのでご希望等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
Background and Technology
多くのウイルス感染症において、致死的な転帰をたどる原因はウイルスそのものではなく、宿主(ヒト)側の免疫応答の暴走と、それに伴う不可逆的な組織損傷(線維化)が大きく関与していると考えられている。しかし、詳細な重症化メカニズムは完全には解明されておらず、対症療法に頼らざるを得ないのが現状である。
本研究チームは、COVID-19における呼吸器症状の重症化メカニズムを解明するため、ウイルス接種量に応じて野生型マウスに重症および軽症症状を惹起できるin vivo感染モデルを樹立した。さらに重症マウス・軽症マウスにおけるシングルセルRNA-seqを行った。加えて、得られたデータに対し、重症、軽症に向かう細胞運命の遷移を時系列的に推定する解析を行い、重症群で特異的に分化誘導される線維芽細胞サブセットを同定し、その上流リガンド候補としてCCL15を同定した。
線維芽細胞活性化と線維化は、多くの重症呼吸器ウイルス感染症の長期予後に関与すると考えられていることから、CCL15阻害はウイルス性肺炎の重症化抑制に寄与し得る新たな治療戦略として期待される。
Principal Investigator
小野 慎子 特任准教授(大阪大学 感染症総合教育研究拠点 / 微生物病研究所)
Patents
特許出願中(未公開)