Advantages
- 血球捕捉部としてガラス繊維を採用することにより溶血を抑制し、血球成分を99.9%以上除去可能
- 電力や大型装置を使用せず、遠心分離法に匹敵する高純度血漿を得られる
- 血球捕捉部と流路部を重ね合わせたシンプルな2層構造であり、低コスト量産に適する
- 分離後の血漿をマイクロピペットで直接回収でき、既存の生化学検査、免疫測定、核酸増幅検査等の分析系に容易に接続可能
Key Data
- 50µLの全血から4µL以上の血漿抽出に成功。
- 抽出血漿で血球成分を99.9%以上除去していることを確認。
- グルコースおよびコレステロールの生化学検査において、本技術で抽出した血漿は、従来法の遠心分離と同等程度の診断精度を示した。
Background and Technology
予防医学の進展により、医師が患者のそばで即時に診断を行うPOCTの重要性が高まっている。正確な血液診断には血球と血漿の分離が不可欠であるが、従来の遠心分離法は大型機器やまとまった量の採血を必要とするため、在宅医療や迅速な簡易検査における実用化の大きな障壁となっていた。 本技術は、ガラス繊維の抄紙技術と塗工技術を融合させ、毛細管現象を利用した受動的な血漿分離を実現した。血液を滴下するパッドと血漿を保持する流路を立体的に重層化し、(※繊維の階層化・配向制御により)血球の崩壊と混入を防止している。これにより、電力を一切使わずに清浄な血漿を分離・保持する構造を確立した。
Partnering Model
愛媛大学は、本技術の実用化に関心のある企業を探索しており、小型分析デバイスや診断キットを展開する医療機器・診断薬メーカーとの共同研究またはライセンス供与を想定している。本デバイスの高精度な血漿分離機能を活用し、イムノクロマト等の既存分析キットの前処理モジュール化や、流路分岐による同時多項目検出プラットフォームへの拡張が可能である。
Principal Investigator
潟岡 陽 特定研究員 (愛媛大学 紙産業イノベーションセンター)
Patents and Publications
出願中(未公開)