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移植神経細胞の定着を促進する脳波刺激

レム睡眠中の脳波刺激によって移植した神経細胞の機能的統合が能動的に促進される

Advantages

再生医療の効果最大化: 移植細胞を神経回路へ能動的に編入させることで、機能発現と治療効果の促進が期待できる。
科学的根拠: 「睡眠が未熟ニューロンの組込みに重要」という発見に基づき、マウス実験で「レム睡眠時シータ波の特定位相への同期刺激」が記憶固定を有意に促進するエビデンスを取得済み
高い汎用性と拡張性: 光刺激・電気刺激の両方に対応。細胞移植治療だけでなく、既存のDBS/RNS(脳深部刺激/応答性神経刺激)デバイスへの「効果増強アドオン技術」としても展開可能。

Current Stage and Key Data

・マウスモデルをて、睡眠中の脳波リズム(位相)が記憶の固定化に重要であるというメカニズムを解明した。
・そのリズムに同期させることで、iPS細胞由来の未熟神経細胞の海馬への組込みを誘導し、記憶を増強できることを実証済み。
【Key Data】
・マウスに侵襲刺激を与えて学習させた後、記憶の固定化が行われる「レム睡眠」の期間中に光遺伝学的な介入を行った。 脳内振動である「シータ波」の1周期を4つの位相に分割し、各位相に同期して刺激を与えた。その結果、特定の位相で介入を行った場合において、学習の定着を示す恐怖反応(フリージング時間)の短縮が観測された。
・学習後のレム睡眠中に、シータ波の特定の位相に同期して神経細胞へ光刺激を与えたところ、対照群と比較して、記憶の固定が有意に促進された。

Partnering Model

・神経疾患を対象に細胞医薬の研究開発を進めている企業との共同研究を提案します。
・企業様が所有する治療用の細胞を供与いただき、筑波大で移植と同時に脳波と同期する試験を実施し、生着や機能的な向上があるかどうかを検証するなどの協業が想定されます。
・次のステップとして、NDAを締結して未公開の情報を含めた発明者とのディスカッションを提案します。

Background and Technology

課題:再生医療における移植細胞不適合 iPS細胞などを用いた神経再生医療において、移植した神経細胞が既存の神経回路とうまくつながらず、期待された機能を発揮できない統合不全が課題となっている。
科学的発見:レム睡眠とシータ波の重要性 筑波大学の研究グループは、未熟なニューロンが記憶回路に組み込まれる際、レム睡眠中に発生する「シータ振動(脳波)」への同期活動が不可欠であることを突き止めた。
解決策:「細胞統合促進システム」の開発 この知見を応用し、レシピエントの脳波をAIでリアルタイム解析してレム睡眠を特定。神経の可塑性が高まるシータ波の「特定の位相(タイミング)」に合わせて、移植細胞へ刺激を与えるシステムを着想した。
実証結果①:特定位相での介入による記憶障害 マウスを用いた実験で、学習後のレム睡眠中にシータ波の特定位相に対して介入刺激を行ったしたところ、記憶の定着が阻害された。これにより、記憶固定における「タイミング」の重要性が証明された。
実証結果②:特定位相への刺激による記憶促進 逆に、シータ波の特定位相に同期して光刺激を与えた実験では、刺激を与えなかった対照群と比較して、記憶の固定が有意に促進された。これにより、移植細胞を受動的ではなく「能動的」にネットワークへ組み込むことが可能となることが期待される。

Principal Investigator

坂口 昌徳 教授(神戸大学医学研究科・筑波大学)

Patents and Publications

特許出願中(未公開)
筑波大学プレスリリース: https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20250819143000.html
Srinivasan, S. et al. Nat Commun 16, 7210 (2025).[DOI]: https://doi.org/10.1038/s41467-025-62554-8
Koyanagi, I. et al. Neurosci Res Jan:186:51-58. (2023) .[DOI]: https://doi.org/10.1016/j.neures.2022.10.001
Tezuka, T. et al. Sci Rep 11, 11151 (2021). [DOI]: https://doi.org/10.1038/s41598-021-90332-1

プロジェクト番号:wl-05410