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CAF を標的とした in vivo CAR-T 療法

CAF表面に高発現しているFAPタンパク質を標的とし、効果的なCAFの除去をin vivo CAR-Tにより行うことで、抗がん剤の奏効率を高める。

Advantages

- 腫瘍細胞株移植(CDX)マウスモデルや、患者腫瘍組織移植(PDX)マウスモデルでの試験により、腫瘍体積の増大を抑制する効果を確認した。
- 特にCDXマウスでの試験では、免疫チェックポイント阻害剤との併用により、腫瘍体積の大幅な減少(ほぼ完全消失)が確認された。

Technology & Background

がん関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts, CAF)は、がん細胞の増殖を助ける様々な増殖因子を産生し、細胞外マトリックスを再構築しがん細胞の浸潤・転移を促進することが知られており、また、CAFが免疫細胞の機能を抑制することで、がんに対する免疫応答を妨げることも知られている。そのため、CAFはがん治療における新たな標的として注目されており、CAFを標的とした治療法の研究開発が進められています。例えば、CAFの性質を変化させたり、CAFを標的としたナノ粒子やCAR-T細胞療法と従来の治療法を組み合わせたりすることで、抗がん剤や放射線治療の効果を高める可能性が示されている。
これまでに本研究者らは、膵がんのscRNA-seqデータを用いてCAFの細胞表面タンパク質を解析した結果、線維芽細胞活性化タンパク質(fibroblast activation protein, FAP)がCAFに特異的に発現していることを確認した。そこで彼らは、CAF表面のFAPを特異的に認識するキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法を着想し、鋭意検討の結果、ヒトFAPを認識するCARのmRNA配列の同定に成功した。これを、数種の脂質ナノ粒子(LNPs)と複合化させて、腫瘍担持マウスモデルに対し様々な抗がん剤との併用投与を試みたところ、腫瘍体積の大幅な縮小を確認した。

Current Stage & Key Data

- FAPを標的とするCAR mRNAを設計し、エレクトロポレーション法によりT細胞へ導入した。また、別途調製したFAP発現HEK293細胞を用い、T細胞で発現させたCARとFAPとのin vitro結合アッセイを実施し、高い細胞溶解活性を確認した。
- LNPに封入したFAP-CAR mRNAを調製し、様々な抗がん剤やリンパ球などとともに、CDXマウスおよび患者由来腫瘍異種移植(PDX)マウスに投与した。その結果、乳癌由来腫瘍細胞株(4T1およびE0771)および大腸癌由来腫瘍細胞株(MC38)を移植したCDXマウス、ならびにヒト大腸癌PDXマウスにおいて、対照実験と比較して腫瘍体積の成長が抑制されたことが確認された。特にマウス大腸癌(MC38)移植モデルでは、以下の各試験例において腫瘍体積が有意に減少し、中でも試験例(b)については、腫瘍のほぼ消失に相当する効果が確認された(下図データ参照)。
(a) LNP (FAP-CAR mRNA) + 5-FU + PD-1 mAb
(b) LNP (FAP-CAR mRNA) + 5-FU + PD-1 mAb + CTLA4 mAb
(c) LNP (FAP-CAR mRNA) + 5-FU + PD-1 mAb + CTLA4 mAb + JARID阻害剤
(d) LNP (FAP-CAR mRNA) + 5-FU + PD-1 mAb + CTLA4 mAb + 低分子抗がん剤

Partnering Model

- 大阪大学との共同研究による、貴社開発中の医薬品候補分子と、本発明技術とを併用することでの、がん治療効果の検証(前臨床試験~臨床試験)にご協力いただける製薬企業様を探しています。
- 組織特異的なLNPs-DDS技術をお持ちの製薬企業/バイオテック様や、本発明技術の詳細な作用機序の解明にご協力いただける製薬企業様を探しています。
- いずれの場合も、対象発明に関し、共同研究期間中の独占的なライセンス/オプション契約をご検討いただけます。

Principal Investigator

石井 秀始 特任教授(大阪大学 医学系研究科)

Patents and Publications

Patents:
- PCT/JP2025/012812(WO2025/206323 として国際公開済み)

Publications:
- 論文掲載準備中

プロジェクト番号:jt-04924