Advantages
- 既存株化細胞からの作製期間は2週間
- 刷子縁やAQP1/3等を発現し、生体腎臓の生理・薬理応答を高度に模倣
- TGF-β添加で尿細管線維化モデルを誘発でき、病態解明や薬効評価に最適
Background and Goals
猫の慢性腎臓病(CKD)は主要な死因であり治療薬開発が急務だが、従来の猫腎臓株化細胞(CRFK等)は間葉系への形質変化が生じており、猫の生体腎の尿細管構造や機能を反映したin vitroモデルは存在しなかった。また、実験動物の倫理的観点から、動物実験の削減・代替は社会的に強く求められている。
今回、CRFK細胞などの株化細胞を、細胞外基質(ラミニンやコラーゲンIV等を含有するマトリゲル等)を添加した培地中で3次元培養することにより、これまで困難であった猫の「尿細管様(管腔)構造」を有する腎臓スフェロイドの作製に成功し、モデル・評価系として実現可能となった。本スフェロイドは、生体の近位尿細管に見られる刷子縁様構造を備え、水輸送を担うアクアポリン(AQP1, AQP3)や上皮マーカー(CDH1)を明確に発現する。さらに、自発的な線維化(1型コラーゲン発現)を起こさないため、背景ノイズの少ないクリアな評価が可能である。本技術により、短時間かつ簡便に機能的な猫腎臓評価モデルの提供が可能となる。
Data
本プロセスのマトリックス主成分の添加によって、尿細管管腔様構造を構築した結果
左はマトリックス主成分の添加なし、右は添加したCRFK。添加によって尿細管管腔構造を表し、尿細管としての機能指標(カドヘリン、アクアポリン)の発現を確認済みで、研究・医薬品開発などへの活用が可能となる。
Development Phase
本技術は、動物薬メーカー、CRO、研究用ツールメーカー様との多様なアライアンスやコラボレーションを想定しています。
【動物薬メーカー様向け】
猫CKD治療薬や腎保護薬のスクリーニング、毒性・薬効評価プラットフォームとしての共同研究・技術提供。
【CRO様向け】
TGF-β刺激による「尿細管線維化モデル」や「尿石症・多発性嚢胞腎モデル」を受託試験サービスとして、受託ポートフォリオへ導入するための技術移転・提携。
【研究用ツールメーカー様向け】
3次元培養に必要な細胞外基質配合培地や、腎スフェロイド作製用専用キット・アッセイプレートの共同開発・製品化。
生体代替モデルとして3R原則に貢献しつつ、成長するペット医療市場に向けた新規事業・製品開発を後押しするライセンス、共同研究、キット化検討などに貢献可能です。まずは、詳細の技術説明、ディスカッションからスタートできれば幸いです。
Principal Investigator
麻布大学 獣医学部 獣医学科 助教 西晃太郎
Patents and Publications
出願済