Advantages
■ 十分な安全性: 低負荷の準備運動のみで嫌気性代謝閾値(運動限界)を予測可能。
■ 日々の体調を反映: 睡眠不足や体調不良による日々の許容負荷変動をリアルタイムに検知する。
■ 検査の簡便化: 高価で大型な呼気ガス分析装置を使わず、連続血圧計とAIのみで精度の高い管理を実現。
Background and Technology
心疾患リハビリや生活習慣病予防において、最も効果的な強度は有酸素運動から無酸素運動へ切り替わる嫌気性代謝閾値(Anaerobic Threshold: AT)とされる。しかし、ATを正確に測るには専用装置を用いて一度ATを超える過負荷をかけなければ判定できないため、心疾患患者や高齢者には身体的リスクを伴う。また、至適な運動強度は睡眠や疲労度により毎日変化するため、検査時の数値が常に正しいとは限らない。運動負荷をしないで至適強度を求める方法としてカルボーネン法が知られているが、安静時心拍数と年齢のみで算出され、同様に日々変化する実際の至適運動強度から大きく乖離するケースが少なくない。
これらの問題を解決するために、本発明者は準備運動中のわずかな血圧と脈拍から、その後の負荷運動でどの地点が限界点(屈曲点:DPBP)となるかを予測するシステムを開発した。心筋酸素消費量と相関するダブルプロダクト(DP=収縮期血圧×心拍数)に着目し、準備運動段階でのわずかなDPの反応をAIにより解析し予測する。これにより、将来的に負荷を上げた際に現れるはずのDPBP(DPの傾きが急上昇する屈曲点、図を参照)を、実際に負荷をかける前に予測・算出する。カルボーネン法のような一律の公式ではなく、今の身体の状態から至適強度を導き出すため、日常の運動開始前に、その日のその患者に合わせた個別化運動処方が可能となり、心疾患患者の安全なリハビリを支える画期的なソリューションになることが期待される。
Data
心血管疾患患者58例、健常人26例を対象に、呼気ガス分析による実測のATと、連続血圧計から予測・算出した屈曲点(DPBP)の相関を検証した。
その結果、実測のATと連続血圧から予測されたDPBPに有意な相関(p<0.0001)が認められた。
Expectations
福岡大学では、本発明にご興味があり、共に開発を進めていただける企業様を募集しています。
本研究者は本技術を使ったウェアラブルデバイス用のプログラムを試作済みであり、今後、このプログラムを用いてさらにデータを集め、効果の確認や精度向上に向けて開発を進める予定です。リハビリ装置の開発企業様、ウェアラブル血圧測定端末を開発されている企業様、ヘルスケアテック企業様などとの共同開発を希望しています。また、ウェアラブル端末アプリを開発中の企業様にも本技術の導入をご提案します。
福岡大学との秘密保持契約の締結による未公開データの開示や、発明者との面談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
Principal Investigator
末松 保憲 准教授 (福岡大学病院 循環器内科)
Patents and Publications
特許出願中(未公開)