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パーキンソン病患者の低侵襲型歩行リハビリテーション装置

歩行周期と脳活動の「位相同期」に着目し、踵接地タイミングに最適化した脳刺激で歩行機能を改善する

Advantages

(1)非侵襲的アプローチ:外科的手術や機器の埋込みなどの既存治療と異なり、頭皮上からの電気刺激(tES)を用いるため患者の身体的負担が軽減される。
(2)個別最適化:踵の接地タイミングに応じて電気刺激を自動的に調整することで患者固有の歩行特性に適応した介入が可能。
(3)薬物療法と同等の運動機能改善:一部の抗パーキンソン病薬と同等以上の疾患重症度改善効果(MDS-UPDRSで4.7点減少)を示し、従来リハビリでは困難だった下肢機能や歩行障害への効果を示した。

Current Stage and Key Data

・想定される医療機器クラス:本装置はクラスIIIの医療機器としての実用化を想定しており、PMDAとの薬事相談および治験開始に向けた準備を進めている。
・現在の開発フェーズ:プロトタイプを用いた二重盲検比較試験による有用性検証を実施中。並行して刺激位相および周波数のさらなる適正化やハードウェアの軽量化に取り組んでいる。
・今後のロードマップ:3年後のSaMDの先行上市、および5年後の経頭蓋電気刺激を伴う医療機器本体の上市を目標としており、ハードウェアおよび制御アプリの共同開発を担うパートナー企業を探索している。
・歩行パラメータの改善:24名のパーキンソン病関連疾患患者を対象とした最適位相調整の経頭蓋電気刺激を伴う歩行リハビリ(計10回)の結果、歩行速度、ストライド長、立脚時間の有意な改善が認められた。
・総合的運動機能の改善:歩行動作自体の向上に加え、一般的な薬物療法の効果を上回る運動スコアの改善(MDS-UPDRS)を達成し、特に下肢の敏捷性(p=0.001)における有効性が確認された。

Partnering Model

開発連携:クラスIII医療機器としての実用化に向け、電気刺激技術および医療機器開発のノウハウを持つ企業との共同開発を推進したい。また、プログラム医療機器への展開を見据え、内蔵センサ等による歩行検出技術やアプリ開発の知見を持つ企業との共同研究も想定している。
技術移転と提供リソース:ハードウェアおよび制御アプリを含むプロトタイプはすでに完成しており、秘密保持契約に基づく未公開データの開示が可能。
企業への具体的な期待(開発要件)
装置の小型・軽量化とワイヤレス化:在宅利用や薬事承認を見据え、現行 of PC駆動式有線システムから、軽量かつワイヤレスな頭部装着型デバイスへ改良する。
歩行検出の簡便化(フットセンサ不要化):足への物理的なセンサ装着を不要にするため、加速度センサや非接触型技術を応用し、歩行周波数を自動検出する仕組みを実装する。
簡易・正確な電極装着設計:非専門家による利用を想定し、専門知識なしで正確に電極を配置・固定できる簡易なインターフェースを開発する。

Background and Technology

・背景と課題:高齢化に伴い患者数が増加するパーキンソン病に対し、既存の薬物療法では進行に伴う運動機能低下が避けられず、日常生活動作(ADL)維持のための特化型リハビリテーション機器が求められている。
・技術の概要:非侵襲的な経頭蓋電気刺激(tES)を用い、踵接地を基点として患者の歩行周波数に同期した微弱な電流を印加する歩行リハビリテーション装置を開発した。
・位相の最適化:単なる歩行同期では改善しなかった疾患重症度(UPDRS)の課題に対し、脳刺激時に踵接地が特定の位相範囲に集中する現象を利用し、高頻度に出現する位相で刺激開始タイミングを自動調整する。
・有用性と展望:最適位相に調整した刺激の適用により歩行速度やストライドおよびUPDRSの有意な改善が認められ、全体的な身体機能の向上や他の神経変性疾患への応用が見込まれる。

Principal Investigators

植木美乃、堀場充哉(名古屋市立大学)、美馬達哉(立命館大学)、小野弓絵(明治大学)

Patents and Publications

PCT/JP2026/014463
DOI:10.1136/jnnp-2022-329966

プロジェクト番号:wl-05014